大会総評

HOME | 大会総評

INFORMATION


第27回JSBA全日本スノーボードテクニカル選手権大会 総評

 
第27回JSBA全日本スノーボードテクニカル選手権大会
JSBA全日本スノーボードテクニカル選手権大会はスノーボードの総合滑走能力を競う大会である。今大会は各地区大会、学生大会を勝ち抜いた選手や前回大会上位入賞のシード選手など、総勢244名が、2日間で5種目を滑走し、その合計得点により競われた。
 
■競技委員長 鷲尾 浩一
毎年デモ認定が行われていたシステムを、今回より2年に一度のデモ選としてシステムを新たにしました。1年目となる今回はテクニカル選手権大会のみとなり、会場も初会場となる安比高原スキー場で開催されました。
初会場ではどんなに準備しても予想もつかない状況が多く起きてしまうことがあるので、十分な時間をかけて開催にあたるはずでしたが、今年は雪上スポーツにとって大変な年でした。まず、降雪不足により全面オープンができなかったリゾートも数多くあり、各地区大会においても会場変更等を余儀なくされたところもありましたので、該当地区の選手の皆様も大変だったことと推測します。
各地区の全日本選抜が無事終了して、幸い全日本会場である安比高原スキー場は十分な降雪があり、素晴らしいバーンで各地区代表選手の実力を発揮してもらおうという段階で新型コロナウイルス感染症の懸念が生じました。選択肢の一つとして中止もある中で、可能な限りの対応策をとり、開催にこぎつけました。対応策として3密を避けるということで開会式、ライダーズミーティングが中止となったことで、書面での掲示だけでは細かいニュアンスが伝わらず、関係者や選手の皆様に混乱が生じてしまいましたことをお詫びいたします。また、閉会式、表彰式も中止となり、活躍された選手にとって寂しい部分もあったことと思います。
色々ありましたが、安比高原スキー場様、選手の皆様、役員関係者の皆様にご協力いただき、無事に開催できましたことを、代表して感謝申し上げます。
第28回大会はデモ選が併催される予定ですが、まだまだ新型コロナウイルス感染症が収束していない中でどれだけのことができるか、今後も状況を注視し、役員一同、細心の注意を払って実施に向けて努めてまいります。そして、選手の皆様も感染対策を十分に取った中でレベルアップしていただいて、次回のテクニカル選手権大会でも素晴らしいパフォーマンスができるよう頑張ってください。
 
■主審 青木 玲
毎年ターンの質が上がっています。今年も格段にレベルアップした年と言えるでしょう。
具体的には、内傾軸の作り方です。そのタイミングが格段に早くなり、傾ける幅も広がっています。その結果、ボードへの働きかけも早くできるようになるので、ターン後半でエッジングがブレる選手がかなり少なかったです。また種目と斜度、雪質なども考えていた選手は安定した滑りができたのではないでしょうか。
今回の種目と開催コースを考慮すると、ロングターンでは明確な外力の利用、ミドルターンでは斜度とスピードの中でのカービングコントロール、ショートターンではウェーブに対する立体的な脚部の使い方、ビッテリーでは内傾軸と連続性と可能性、フリーライディングではスピードに乗せる躍動感、このようなところが大きなテーマだったと感じています。
斜度や雪質が変われば見せる、見せたい部分も変わってきます。
いつも異なる条件の中で楽しむスノースポーツだからこそ、それらの条件が変わった時でも自分の思いをボードに乗せられるように、今後もテクニックの幅を増やしていきましょう。
 
■主審 岸 正美
A班はロングターンカービング、ミドルターンカービング、ビッテリーを見させていただきました。それぞれの重要なジャッジングポイントで、『ターンの質』は、深くて速いターンであり、スムーズな連続ターンであるものを高評価としています。『スピード』は、落下スピードというよりターンスピードとして見ています。浅くて落下スピードが速いものというより、落下に対して適切な操作を行い、深くて速いターンを行っているものを高評価としています。『サイズコントロール』は、落下に対して角づけ、荷重、ローテーション、そしてその方向や量、時間の調整が適切であり、指定されたサイズになっているかといったところを見ています。
また全体を通して、ボードの曲がる性能を理解して操作しているかを評価の対象として見させていただきました。